神谷美恵子著、河出書房新社、2014年
今回はディープな内容です。
あなたの「生きがい」とは何か?
果たして、明確に回答できる人はどれだけいるでしょうか?
人間の生きかた、こころについて、たくさんの気づきのある一冊。
この本が最初に出版されたのは1970年代。私が生まれた年代です。
つまり、私の親の世代においても、ずっと警鐘は鳴らされていました。
戦後、世の中がモノで豊かになった反面、こころはよりどころを無くしていく。
そんな警鐘も好景気に支えられ、モノと欲望を繰り返し満たすことで、根本的に解決されることなく放置されてきたと感じます。
それは、私のこれまでの人生が語っています。
小、中学校の頃の私は、将来なりたい職業などありませんでした。
”なんと無く大学へ行き、どこかに就職する” そんな漠然としたイメージ。
将来の質問をされるのは嫌でした。
生活のために仕事につき、お金を稼ぐことでいつか幸せになれれば・・・そういう社会の雰囲気に染まっていたと思います。
不幸にも勉強は出来ない方ではなく、進路で大きく悩むこともなく進学。
そして大学を卒業し、電機メーカに就職。
モノを作る設計の仕事を出来、仕事は楽しかったです。
第一の転換期は、リーマンショックだと思います。
これまでのムードは一変。会社やメディアが景気が悪い悪いと繰り返し唱え、世の中に刷り込まれ、人々は洗脳されて・・・。会社でも閉塞感が蔓延しました。
閉塞感が蔓延してくると、徐々に心が問いかけてきます。無意識的に。
「このままでいいのか?」
でも、仕事は忙しかったですし、仕事に没頭することで、それの声は忘れられました。
しかし、2011年3月11日。東日本大震災が発生。
私の住む山形は大きな影響が無かったものの(停電とガソリン不足くらい)、こころを砕くのに十分な衝撃。
当たり前だと思っていた生活、そして生きかたを見直す、大きな転機となりました。
さて、話がだいぶそれてしまったので、本の内容に話を戻して、
私がとても重要で、大切な内容だと思っているのは以下の内容です。
- 何が大切かという価値基準
- 知性を活かす生きかた(創意工夫)
”人は生きがいを「何かすること」に求めて探しまわる。
しかし何かをする以前に、まず人間としての生を感謝とよろこびのうちに謙虚にうけとめる「存在のしかた」、つまり「ありかた」がたいせつに思える。”
(神谷美恵子「人間をみつめて」河出書房新社、2014年、p.171)
まずは、何かをする前に、ありのままの自分を見つめてみること。今の自分はどんな自分?何を考えているの?
それがどんな自分であっても、認めて、受け入れることが出来れば、スッとこころが楽になります。
自分のこころと向き合う時間は、日常生活ではなかなか取れないと思いますが、
ヨガや瞑想で、こころと向き合う時間を過ごしていただけたら、とても嬉しいです。
ヨガのポーズで、身体の健康を保っていただけたら、とても嬉しいです。
その上で、自分の価値基準を見つけ、工夫した生きかたが見つかったならば、とても嬉しく思います。
それでは、皆さんが穏やかな気持ちで過ごしていけますように。
こころと身体、人と人、人間と自然。どこかでつながってます。全てはひとつながりです!
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